ERPモダナイゼーションとSAP ECC移行:誰も見積もらなかった周辺システムの開発
ERP移行には、必ず2つのプロジェクトが入っています。計画書に書かれているほう(新システム、業務設計、システムインテグレーター)と、4か月目に誰かがインターフェースの数を数えたときに姿を現すほうです。
私たちが担当するのは、後者です。80本の独自連携、経理が依存しているのに所有者のいない帳票、データベースビューと会話している倉庫端末、旧テーブルを直接読んでいる顧客ポータル、そして新システムが受け入れられる形で移送しなければならない20年分のデータ。これらは当初のスコープに入っていないことがほとんどで、しかも稼働日を決めてしまうのはたいていこちらです。
いま検討が必要な理由
SAP ECC 6.0の標準保守は2027年12月31日に終了します。延長保守を使えば2030年末まで持ちこたえられますが、追加費用がかかり、対象範囲も縮小されます。導入企業の相当数がまだ着手しておらず、移行には通常18〜36か月かかり、それを担うパートナーとハイパースケーラーの空きは今まさに押さえられている状況です。
同じ圧力はSAP以外にも及んでいます。Oracle EBSのユーザーには独自のサポート期限があり、Dynamics AXやNAVの導入環境はBusiness CentralやDynamics 365への移行を促されています。そして、10年前に大幅なカスタマイズを施され、その担当者はすでに社内にいない、というERPを抱えた企業が長い裾野を形成しています。
移行先が何であれ、問題の形は同じです。ERPは孤島ではなく、そこにつながっているものはたいてい文書化されていません。
提供内容
インターフェースの棚卸し
計画を立てる前に、実際に何がERPと通信しているのかを確定させる必要があります。私たちはこれを実証的に行います。アンケートを回して回答を待つのではなく、データベースログ、ネットワークトラフィック、スケジュールジョブ、連携ミドルウェアの設定、ソースコードを読んで特定します。
成果物は、すべてのインターフェースについて方向、プロトコル、頻度、データ量、判明する範囲での業務所有者、そして再構築が必要か、廃止できるか、改修で済むかの評価を並べた一覧です。想定していた数の2〜5倍のインターフェースが見つかることは日常的で、そのうち相当数は結果的に何の役にも立っていないことが判明します。
連携レイヤーの再構築
残す必要のあるインターフェースを再構築します。その際、新システムに直接向けるのではなく、抽象化層に対して作り直すことを推奨しています。周辺アプリケーションとERPの間に連携レイヤーを置けば、次の移行(そして次は必ず来ます)で同じ作業を繰り返さずに済みます。また、切替の週末に一斉に移すのではなく、アプリケーションを段階的に移行できるようにもなります。
対象となるのは、IDocおよびBAPIインターフェース、ODataサービス、以前の世代のSOAPエンドポイント、欧州のB2Bの半分をいまだに支えているフラットファイルとSFTPの連携、メッセージキュー、そして新システム側のREST APIです。
データ移行のエンジニアリング
抽出、クレンジング、変換、ロード、そして最も過小評価されがちな突合。移行を使い捨てのスクリプトではなく、繰り返し実行できるコードとして構築します。徐々にきれいになっていくデータに対して何十回でも実行でき、その結果を毎回自動で比較できるようにするためです。
信頼が生まれるのは突合の工程です。経理はロードが成功したから移行を承認するのではありません。残高が一致し、件数が一致し、残った差異が説明され、書面で受け入れられたから承認するのです。
ERPより長く使われる独自アプリケーション
多くの企業には、旧ERPの周囲に作られ、ERPでは実現できなかった何かを担っているアプリケーションがあります。コンフィギュレーター、価格計算ツール、現場端末、顧客ポータル、いつのまにか業務の要になっていた計画用の表計算ファイル。一部は新システムの標準機能に吸収して廃止すべきものです。一部は本物の競争優位であり、まもなく変わるデータベーススキーマに溶接された状態から解放し、独立したアプリケーションとしてきちんと作り直すべきものです。
私たちはその見極めをご一緒し、残す価値のあるものを構築します。
帳票とシャドーデータ
長く使われたERPの周囲には、必ず帳票、抽出データ、表計算ファイルの層が育ちます。これらは切替時に派手に壊れ、しかもほぼ確実に計画に入っていません。私たちはこれらを棚卸しし、業務が本当に依存しているものを特定し、新しいデータモデルに対して、あるいはそこから切り離す報告レイヤーに対して作り直します。
廃止とデータ保存
旧システムには、停止後も法的に何年も保持しなければならない記録が入っています。保存義務を満たすためだけにECCを10年間読み取り専用で動かし続けるのは、高くつくやり方です。私たちは、監査人や税務当局が実際に求める検索とエクスポートの経路を備えたアーカイブへの抽出を構築し、旧システムを停止できる状態にします。
当社が行わないこと
SAPの業務コンサルティングは行っていません。FI/COの設定も、業務テンプレートの設計も行いませんし、S/4HANAプログラム全体を統括するパートナーでもありません。それらは専門職の領域であり、専門のパートナーに依頼されるべきものです。
私たちは、そのパートナーと並んで、ERPが触れているのにERPプログラムの範囲には入っていないすべてを担当するエンジニアリングチームです。実際の契約形態としては、御社側の領域を守るために直接ご契約いただく場合と、プログラムを担うシステムインテグレーターの協力会社として参加する場合があります。
S/4HANAへの転換全体を引き受ける会社をお探しであれば、私たちはそれではないとお伝えします。3回目の打ち合わせではなく、最初の打ち合わせでそう申し上げたいと考えています。
関わり方
S/4HANAプログラムと並走する:連携の再構築、データ移行のエンジニアリング、周辺アプリケーションの開発、レガシー環境の廃止。
SAPから完全に移行する:Odoo、Dynamics 365 Business Central、ERPNext、NetSuite、あるいは業種特化型システムへ。S/4HANAが過大となる中堅企業で最も多い選択です。この場合、連携とデータの作業がプロジェクトの大半を占めます。
Oracle、Dynamics AX/NAV、Infor環境:同じライフサイクル上の圧力を受けながら、注目度は低い領域です。
移行しないと決めた企業:当面は現状維持と判断し、周辺システムの刷新、インターフェースの保守可能化、待機期間中のリスク低減を必要としている企業。
プロジェクトの進め方
ディスカバリー:3〜6週間。インターフェースの棚卸し、データ品質の評価、周辺アプリケーションのレビュー、そして周辺環境の実態をまとめた書面での報告。これは意図的に単独の案件としてもお受けしています。この報告をもとにシステムインテグレーターの提案のスコープと金額を交渉し直し、費用を十分に回収したお客様が複数いらっしゃいます。
構築:本体プログラムと並行して進めます。連携レイヤー、移行パイプライン、アプリケーションの作り直しを、御社のスケジュールと切替日に合わせて実施します。
切替支援:リハーサル、突合の実行、そして、テストでは十分に動かされていなかったインターフェースがついに動くことになるハイパーケア期間を含みます。
廃止:新システムが安定し、アーカイブの検収が済んだ段階で実施します。
技術スタック
アプリケーション側はJava、.NET、Python、Node.js、PHP。SAPの連携技術はIDoc、BAPI、RFC、OData。ミドルウェアはMuleSoft、Apache Camel、Kafka、Azure Integration Services。データベースはSQL Server、Oracle、DB2、HANA、PostgreSQL。クラウドはAWSとAzure。既存環境がDelphi、VB6、PowerBuilder、あるいはERPに隣接するCOBOLといった、より古い技術で動いている場合も、驚くようなことではなく慣れた領域です。
よくあるご質問
SAP ECCのサポートは正確にいつ終了しますか
SAP ECC 6.0の標準保守は2027年12月31日に終了します。延長保守は追加費用と縮小された対象範囲のもとで2030年末まで利用できます。エンハンスメントパッケージや契約条件によって内容が異なるため、詳細はSAPに直接ご確認ください。
すでにシステムインテグレーターを選定済みです。御社の役割はどこですか
その隣です。インテグレーターはERPの転換を担い、私たちはその周囲の環境(インターフェース、データエンジニアリング、周辺アプリケーション、帳票、廃止)を担います。この分担は一般的なもので、インテグレーターは自社の専門システムに集中でき、契約の隙間に落ちがちな部分にも責任者が立つことになります。
SAPから完全に移行するのは現実的ですか
企業によっては現実的です。業務のうちどれだけが標準的で、どれだけがカスタマイズに依存しているか、そしてより小規模なプラットフォームで自社の取扱量と規制要件を支えられるかによります。中堅の製造業や流通業にとっては十分に検討に値する選択肢であり、複雑な多国籍グループにとっては適さない選択肢です。ディスカバリーの工程は、議論ではなく判断材料を提供するためのものです。
インターフェースの棚卸しにはどのくらいかかりますか
中規模の環境であれば3〜6週間です。所要期間を左右するのはほぼアクセス面で、ログ、ソースコード、ミドルウェアの設定、そして「なぜこれが存在するのか」を覚えている担当者に、どれだけ早く到達できるかによります。
停止後も旧システムを監査対応で参照できるようにできますか
できます。監査人や税務当局が求める保存期間、検索、エクスポートの機能を備えた、照会可能なアーカイブへの抽出を構築します。ライセンス費用の発生するERPを10年間読み取り専用で動かし続けるより、通常はるかに安価です。
まだ移行しないと決めた場合はどうなりますか
それは正当な判断です。特に延長保守が2030年まで利用できることを考えればなおさらです。その場合の作業は、待機期間中のリスクを下げることになります。インターフェースを文書化して安定させ、使われていないものを廃止し、ERP周辺のアプリケーションを刷新しておく。そうすれば、実際に移行するときに周辺環境が障害にならずに済みます。
お問い合わせ
何を運用されているか、検討のどの段階にいらっしゃるか、インテグレーターはすでに決まっているかをお知らせください。周辺環境にどの程度の費用がかかりそうか、そして私たちならどこから着手するかをお伝えします。
インターフェースとデータのディスカバリーに関するご相談は、お問い合わせフォームからご連絡ください。
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