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執筆:Iva Seleš

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2026年10月のエージェント決済:Visa、Mastercard、Stripe、PayPalはAIエージェントにどう支払わせるのか、そしてリスクを負うのは誰か

東京の店舗のセルフレジ。商品を置くかごの横に、円建ての合計金額を表示したスマートフォンがある

エージェント決済とは、AIエージェントが人に代わって行うカード決済のことです。人が指示を出し、エージェントが選んで支払い、加盟店はいつもどおり自社のアクワイアラーを通じてカードに請求します。Visaのルールブックには、2025年10月版から「Agentic Transaction」(エージェント取引)という呼び名があります。Mastercard、American Express、Stripe、PayPal、Adyenは、いずれもこのためのプログラムを運営しています。

2026年10月22日時点では、仕組みのほうが取引量より先を行っています。カードネットワーク各社はトークン、署名、ルールを公開しましたが、これまでの実際の取引の大半はパイロットか管理された環境でのテストで、Stripeの構成要素はプレビュー版のAPIバージョンで動いています。ある不正防止企業が9月までに世界全体で数えた、エージェントが開始して完了した取引は「数百件」にすぎません。日付の決まった変更が1つ迫っています。2日後の2026年10月24日以降に処理されるディスピュートについて、VisaはCompelling Evidence 3.0による救済措置を拡大し、そこにはエージェントに関する条項が1つ含まれます。

この記事は、自社のチェックアウトを持つ販売事業者の決済責任者、CTO、創業者、そしてプラットフォームとPSPに向けたものです。どのAIプラットフォームが何を販売しているかについては、まず当社のエージェンティックコマースのガイドをお読みください。APIやコンテンツに対してエージェントがリクエストごとに支払う話は別のテーマで、当社のx402とマシンペイメントの記事で扱っています。

エージェントはどう支払うのか

各プログラムには、名前こそ違え、4つの仕組みが共通して登場します。

エージェント向けに発行されるトークン

エージェントはカード番号を持ちません。Visaのルールは、保存済みのクレデンシャルを使うエージェントのプロバイダーに対し、「VisaまたはAgentic Payment Enablerからトークンを直接取得する」ことを求めています。プロバイダーはトークンを加盟店に渡し、「取引のオーソリゼーションやクリアリング、資金の決済には関与しない」とされています。

Mastercard Agent Payは「リモートコマースのトークン化プログラム」です。インテグレーターはMastercardに登録し、その大半はトークンリクエスター(Token Requestor)として登録します。そのうえでAgentic Tokenを2つの形式のどちらかで使います。Digital Secure Remote Payment(DSRP)のデータか、DSRPにまだ対応していない加盟店向けのDynamic Token Verification Code(DTVC)です。

委任型のクレデンシャル

委任型のクレデンシャルとは、1つの販売事業者に制限付きで与えられる、請求の許可です。StripeのShared Payment Token(SPT)は「顧客の支払い方法を使うための、範囲を限定した許可」で、エージェントがそれを販売事業者のStripeプロファイルに与えます。「それぞれに使用と有効期限の制限がある」とされています。PayPalがChatGPTに入る経路では、「Braintreeを通じた委任型の支払いトークン」が使われます。こうしたクレデンシャルを運ぶプロトコルは、当社のACP、UCP、AP2の記事で比較しています。

加盟店が検証するエージェントの署名

トークンはエージェントがどう支払うかを示し、署名はどのエージェントが入り口に来ているかを示します。2025年10月14日にCloudflareとともに公開されたVisaのTrusted Agent Protocol(TAP)は、HTTP Message Signatures(RFC 9421)を土台にしています。TAPは、エージェントの意図、消費者の識別(買い物客がすでにその加盟店にアカウントを持っているかどうか)、そして任意で支払いデータを運びます。Visaの開発者向けページは、加盟店の仕事を1行でまとめています。「加盟店の主な仕事は、この署名を検証することである」。VisaのリファレンスプロキシはSignature-InputヘッダーとSignatureヘッダーを解析し、keyIdをもとにエージェントのレジストリから鍵を取得して、Ed25519またはRSA-PSS-SHA256の署名を検証します。その例は次のとおりです。

Signature-Input: sig2=("@authority" "@path"); created=1697123456; keyId="primary-ed25519"; alg="ed25519"

Mastercardの加盟店向けガイドも同じ土台を使います。tagにはAgent-pay-auth、agent-browser-auth、agent-payer-authのいずれかが入り、Signature-Agentヘッダーは https://agentpay-key-directory.mastercard.com/ を指します。Cloudflareは、エッジが両方について行う検査を挙げています。keyidによる鍵、createdとexpiresの期間、新しいnonce、タグ(閲覧にはagent-browser-auth、支払いにはagent-payer-auth)、そして最後に署名です。Web Bot Auth自体はIETFのワーキンググループのドラフトで、2026年9月1日のリビジョン00であり、RFCではありません。

意図

4つ目の要素は、その人が何を求めたかの記録です。Visaのルールはプロバイダーに対し、カード会員の指示がいつ失効するかを明示し、「Agentic Payment Providerが行った行為について自らが責任を負う」ことの了承をカード会員から得て、カード会員の本人確認を行い、そのうえで「カード会員が定めた基準のみを使う」ことを求めています。Mastercardによれば、購入意図のデータは加盟店に「カード会員による潜在的なディスピュートの回避や解決、またはその両方に役立てられる監査証跡」を与えます。

American Expressは2026年10月13日にIntent Intelligenceフレームワークを公開しました。Create Intent APIは、加盟店や予算の上限といった顧客の制限を記録し、Intent IDとProof of Intent Tokenを返します。このトークンは、「エージェントがチェックアウトで顧客の実際のカード番号の代わりに使う、安全なデジタル決済クレデンシャルを取得するために使える」ものです。AP2が同じ考え方をマンデートとしてどう表現しているかは、当社のプロトコル比較の記事で扱っています。

Visa:Intelligent Commerce、TAP、ルール

稼働している場所

VisaのIntelligent Commerceのページによれば、この製品は「現在展開の途中にある」とのことです。TAPは2025年10月14日からGitHubとVisa Developer Centerで公開されています。

2026年4月8日に発表されたVisa Intelligent Commerce Connectにより、加盟店はTAP、ACP、UCP、MPP(StripeとTempoによるリクエストごとの課金プロトコル)を使うエージェントからの支払いを、Visaカードでも他社のカードでも受け付けられます。ただし「提供状況による」とされています。現在は「一部のパートナーとのパイロット段階」で、Visaは一般提供の日付を示していません。

欧州では、Visaが2026年7月2日に、30を超えるイシュアーとともに、lastminute.comやFrasersなどの加盟店でエージェントによる実際の取引を行っていると発表しました。加盟店はTAPとVisaのAgent Directoryを通じて参加し、すべての取引はVisa Payment Passkeysで保護されていました。lastminute.comの最高経営責任者は、これを「まだ始まったばかり」と表現しています。

ルールの内容

当社が2026年10月22日に確認できた最新の公開版は、2026年4月18日版のVisa Core Rulesでした。エージェントに関するルールの大半は2025年10月に初めて公開されたもので、要点は次のとおりです。

  • 定義。Agentic Transactionとは、「カード会員に代わってAgentic Payment Providerが行う」eコマースで、カード会員の指示に基づき、カード会員と加盟店の間に直接のやり取りがなく、加盟店が自社のアクワイアラーとともに完了させるものです。プロバイダーは加盟店ではなく、「Agentic Transactionにおいて、Agentic Payment Providerはカード会員とみなされる」とされています。
  • プロバイダーは、Visa Intelligent Commerceに登録し、保存済みのクレデンシャルにはVisaのトークンを使い、カード提示取引を行ってはならず、複数の購入を1つの取引にまとめてもなりません(2025年10月18日から禁止)。同意を得て本人確認を行い、カード会員の氏名、請求先住所と配送先住所、メールアドレスを加盟店に渡し、カード会員に代わって加盟店の返金とキャンセルの条件を受け入れ、注文確認を少なくとも120日間参照できる状態にしておく必要があります。Visaはプロバイダーの資格を取り消すことができます。
  • カード会員は、「Agentic Transactionの一環としてAgentic Payment Providerが行ったあらゆる行為について、カード会員自身が取引を開始した場合と同様に責任を負う」とされています。
  • 加盟店は、「Agentic Transactionを含む取引について、イシュアーにディスピュートを申し立てる権利をカード会員に放棄させてはならない」とされています。
  • イシュアーは、差し迫った不正の脅威があるか、ほかの例外に当たる場合を除き、エージェントの取引を「組織的または一律に」拒否してはならず、「カード会員の支払い指示に従って処理されたAgentic Transaction」については支払わなければなりません。

2026年10月24日からのCompelling Evidence 3.0

CE3.0は、Dispute Condition 10.4(Other Fraud, Card-Absent Environment:カード非提示環境でのその他の不正)に基づく、フレンドリーフラウドに対するVisaの防御策です。同じ顧客による、ディスピュートの対象になっていない過去の取引があれば、アクワイアラーは責任の保護を受けられます。2日後の2026年10月24日以降に処理されるディスピュートについて、Visaはこれを「フレンドリーフラウドをさらに減らすため」に拡大します。

過去の取引に「同一の決済クレデンシャル」は必要なくなります。新しい条件は、「同一のカード、またはそのカードに関連づけられた決済クレデンシャル(例:トークン)が、1つ以上の加盟店で過去2件の取引に使われた」ことです。その取引は不正として報告されておらず、ディスピュートの120日より前、かつ365日以内に処理されている必要があります。引き続き、デバイスIDまたはフィンガープリント、あるいはIPアドレスに加えて、少なくとももう1つの要素が一致しなければなりません。また、デバイスIDとフィンガープリントは、今後は1つの要素として数えられます。

エージェントに関する条項は、この要素のリストの中にあります。顧客のログインIDは今後、平文で「Agentic Payment Providerおよび加盟店のeコマースサイトまたはアプリケーションのログインIDを含む」ことになります。注意点が3つあります。

  • 任意です。ルールには「アクワイアラーはCompelling Evidenceを提出することができる」とあります。
  • エージェント向けのルールではありません。エージェントに関する条項を1つ含む、フレンドリーフラウド全般についての変更です。
  • エージェントのログインIDは、今のところ入手できません。エージェントが加盟店に渡すのはカード会員の氏名、住所、メールアドレスで、エージェント自身のログインIDではありません。加盟店がそれをどう入手するのかを説明したVisaの資料は見つかりませんでした。

Stripeは、対象となるディスピュートではCE3.0の証拠を自動入力します。10月22日の時点で、そのページはまだ旧来の基準を説明していました。

Mastercard Agent Pay

2025年10月14日に発表されたMastercardのAgent Pay Acceptance Frameworkは、「AIエージェントがMastercardのネットワーク上で取引することを許可される前に、まずその登録と検証から始まる」ものです。加盟店はCDNでWeb Bot Authを使ってエージェントを検証し(Mastercardによれば新しいコードは不要)、エージェントは既存のチェックアウトフォームに、DTVCを「標準的なカード決済のフィールドに合わせた形式のエージェント用トークン」として入力します。

Mastercardの加盟店向けガイドは「ボットを一律にブロックするのではなく、レート制限を使う」よう勧め、バックエンドは「任意でハッシュを検証するが、チェックアウトは既存のフローで処理する」としています。リスクについては率直です。「標準的な不正検知、チャージバックの権利、ディスピュート解決の手続きは、エージェントの取引にも適用される」。Level 2のページはさらに、消費者にディスピュートの権利を放棄させてはならないこと、そして元のトークン化された支払い方法に返金することを付け加えています。このガイドには日付がなく、カードブランド固有の部分は「変更される可能性がある」とされています。

稼働している場所は次のとおりです。

  • 米国。Mastercardは2025年9月10日に、米国のすべてのカード会員が「ホリデーシーズンまでに」利用できるようになると述べました。それが実現したことを確認できる資料は見つかりませんでした。
  • 欧州。2026年3月2日のSantanderによるエージェント決済は「管理された環境で」行われたもので、「現段階では商用展開には当たらない」とされています。
  • 中南米。2026年3月24日に報告された取引はすべて「管理された環境で実施された」ものですが、この地域のイシュアーのほぼ100%がエージェント用トークンに対応しています。

American Express

2026年4月14日に発表されたAmexのACE Developer Kitは「一部の開発者」向けで、5つのサービスのうちAgent RegistrationとCart Contextの2つは「まだ開発中」だと、同社のエージェンティックコマースのページは説明しています。

Agent Purchase Protectionは「将来」提供すると約束されています。対象となるのは、購入が「カード会員が認証した購入意図から外れた」場合の「AIエージェントの誤りに関連する請求」で、米国のクレジットカードで、Amexに登録されキットと連携したエージェントを通じた購入に限られ、「カード会員が加盟店に対して返品を申し出た後(可能な場合)に限る」とされています。主観的な意図(「最高の」「すごく素敵な」)は対象にならない場合があり、「完全な利用規約は今後公開される」とのことです。

Stripe、PayPal、Adyen、Checkout.com、Worldpay

Stripe

2025年12月11日に開始されたStripeのAgentic Commerce SuiteとSPTは、米国、カナダ、欧州の32の国と地域で、2026-09-30.previewのようなプレビュー版のAPIバージョンで利用できます。

  • Stripeが管理するチェックアウト。Stripeは御社のカタログをエージェントと共有し、税と配送を含めてチェックアウトを実行し、SPTに請求してcheckout.session.completedを送ります。それでも御社は、利用規約、プライバシーポリシーと返品ポリシー、課税対象の商品ごとの税コード(「設定が不完全だとチェックアウトが失敗することがある」)、現在の在庫を含むCSV形式のカタログ、Webhookを受けての出荷処理、そして各エージェントへの接続リクエストを用意する必要があります。任意の注文承認フックに与えられる時間は4秒です。「この時間内にフックが応答しなければ、Stripeは支払いを拒否する」。
  • 御社のUCPチェックアウトと、Stripeによる決済。UCPプロファイルでcom.stripe.paymentsを宣言し、/checkout-sessions/{id}/completeリクエストからSPTを受け取り、PaymentIntentのpayment_method_data[shared_payment_granted_token]に渡して請求します。
  • ほかのプロセッサー。SPT Resolve APIは、トークンごとに1回だけネットワークのクレデンシャルを返します。御社のPCI準拠証明書(Attestation of Compliance)が登録されていない場合、Stripeはそれを、たとえば御社のプロセッサーの鍵のように「対応する秘密鍵に御社がアクセスできない公開鍵で」暗号化し、御社はPOST /v1/payment_records/report_paymentで支払いを記録します。

Stripeは2026年3月3日、SPTの対象をMastercard Agent PayとVisa Intelligent Commerceのトークン、Klarna、Affirmに広げました。「すでにStripeで支払いを処理している販売事業者は、エージェントの取引でこれらの新しい支払い方法に自動的に対応する」。返金には既存のフローを使います。

PayPal

PayPalは2025年10月28日、既存の販売事業者が「追加の技術的な作業なしで」使えるAgent Readyを発表し、2026年初めに提供するとしました。2026年1月にはCopilotとPerplexityで稼働しており、ChatGPT、Gemini、AI Modeは「近日公開」とされていました。現在のドキュメントには、Braintreeの委任トークンによるChatGPT向けのACPと、BraintreeまたはPayPalのOrders v2 APIを経由し、Google Payのハンドラーを使うGoogle AI ModeとGemini向けのUCPが記載されています。BraintreeのUCP経路には、Google Payと「GoogleへのUCP販売事業者登録」が必要です。セルフサービスではなく、販売事業者は利用を申請するために「このフォームに記入しなければならない」とされています。

Adyen、Checkout.com、Worldpay

2026年6月16日に発表されたAdyen Agenticは、「米国で事業を行うエンタープライズの販売事業者向けに限定的に提供されている」段階です。Checkout.com(2025年11月25日)とWorldpay(2025年10月29日)はChatGPTのInstant CheckoutへのACP対応を発表し、Worldpayは2026年1月28日にGoogleとのUCPの取り組みを発表しました。その後OpenAIは、販売事業者が「自社のチェックアウト体験を使える」ように、Instant Checkoutから一歩引きました。こうしたACP関連の発表は、日付を念頭に置いて読んでください。

プログラム対象地域2026年10月22日時点の状況
Visa TAPGitHubで公開。欧州で実際の取引あり2025年10月14日に公開
Visa Intelligent Commerce Connect記載なし一部のパートナーとのパイロット
Mastercard Agent Pay米国は発表済み。欧州と中南米は管理された環境米国での提供開始は未確認
Amex ACE Developer Kit米国のクレジットカード向けに保護を計画一部の開発者のみ。5つのサービスのうち2つは開発中
Stripe Agentic Commerce SuiteとSPT米国、カナダ、欧州の32の国と地域プレビュー版のAPIバージョン
PayPal Agent Ready記載なし申請フォーム
Adyen Agentic米国、エンタープライズの販売事業者限定提供

リスクを負うのは誰か

資料を並べてみると、リスクはおおむね、エージェントが登場する前と同じところにとどまっています。

当事者資料が課しているもの
カード会員自ら購入した場合と同様に、エージェントの行為に責任を負う。エージェントのプロバイダーはカード会員とみなされる(Visa)
エージェントのプロバイダー同意の取得、本人確認、指示の有効期限、加盟店のポリシーの受け入れ、120日間の注文確認の保持。資格を取り消されることがある(Visa)。これはVisaに対する義務であり、加盟店に有利な責任の移転ではない
加盟店通常のカード非提示取引のリスク。ディスピュートの権利の放棄を求めることは不可(Visa、Mastercard)。標準的なチャージバックの権利が適用される(Mastercard)。任意の防御策としてCE3.0
イシュアーエージェントの取引を一律にブロックしてはならない。カード会員の指示どおりに処理されたエージェントの取引には支払わなければならない(Visa)
Amex米国のクレジットカードで、登録済みエージェントの誤りに対する将来の保護。加盟店への返品を試みた後が条件

エージェント専用のディスピュート理由はありません。2026年4月版のVisa Rulesのディスピュートの章でエージェントに触れているのは、CE3.0のログインIDに関する2行だけなので、エージェントによる購入は通常の条件のもとでディスピュートされます。カード会員がエージェントについて責任を負うため、「エージェントがやった」というだけでは、Visaのルール上の不正の申し立てにはなりません。だからといって加盟店が安全になるわけではありません。カード会員はディスピュートを申し立てる権利を持ち続け、加盟店はその放棄を求めることができません。

当社が確認した範囲では、責任をエージェントのプラットフォームに移すカードネットワークのルールはありません。Checkout.comは2025年12月に、委任の明確な証拠があれば「責任は上流に移る可能性がある」と書いていますが、これはPSPの意見です。Forresterの調査では、消費者はエージェントの誤りについてAIプラットフォームが責任を負うことを期待していましたが、これは期待であってルールではありません。

法律:EU、英国、米国

欧州連合

2026年10月2日付のEU理事会の文書によれば、PSD3と並行して交渉された決済サービス規則(Payment Services Regulation、PSR)は、2025年11月27日に暫定合意に達し、2026年4月22日にCoreper(常駐代表委員会)で承認されました。まだ採択はされていません。欧州議会の手続きファイルには「理事会の第1読会の立場を待っている」と表示され、本会議は2026年12月14日と示されています。合意された条文は発効の21か月後に適用されるため、実際には2028年より前に適用されることはありません。

PSRの第85条は、遠隔での支払指図に強力な顧客認証(SCA)を求め、それを「特定の金額と特定の受取人に」結びつけることを求めています。また、「遠隔チャネルを通じてトークン化された支払手段の作成または差し替えを指図する」場合にも、強力な顧客認証を求めています。加盟店が開始する取引では、マンデートを設定する時点で必要となり、その後の支払いごとには必要ありません。条文はAIエージェントに一切触れていません。「人工知能」が出てくるのは不正監視に関する前文の1か所だけで、「代理人(agent)」はすべて決済機関の代理人を指しています。トークンを持つAIエージェントを第85条がどう扱うかは、解釈の問題です。

英国

英国財務省(HM Treasury)の意見募集は2026年10月6日に締め切られました。そこでは、現行の規則は「AIの発展以前に設計されたもので、エージェンティックAIの利用を十分に後押しできない可能性がある」とし、認証、同意、無権限の支払いに対する責任に関するルールを、エージェント決済に向けて更新する必要があるかを問うています。10月22日までに公表された回答は見つかりませんでした。10月19日、FCA(金融行為規制機構)のジェシカ・ルス(Jessica Rusu)氏は、FCAが「エージェンティック金融のための信頼できる枠組み」を整備すると述べましたが、日付は示されていません。

米国

消費者金融保護局(CFPB)のガイダンスは見つかりませんでした。銀行の業界団体であるConsumer Bankers Associationの2026年1月の文書は、規制当局は「具体的なガイダンスを出していない」とし、エージェントに権限を与えることが、Regulation Zにおけるクレジットカードの「現実の、黙示の、または表見上の使用権限」に当たるかどうかは「よく言っても不明確」だとしています。

実際にどれだけ起きているのか

  • Merchant Risk Council。Visa Acceptance SolutionsとVerifiが共同スポンサーを務めたMRCの2026年のレポートは、2025年11月と12月に37か国の販売事業者の担当者1,278人を調査しました。そのうち19%がエージェンティックAIによる支払いを受け付ける体制が整っていると答え、15%は予定がないと答えました。MRC自身の会員では、46%が予定なしでした。
  • PYMNTS。Visa Acceptance Solutionsの委託によるレポートでは、米国、ブラジル、UAEの販売事業者のうち、AIによるトラフィックと購入を明確に識別できるのは23%でした。
  • Accertify。この不正防止企業は、2026年9月時点で「世界全体でエージェントが開始して完了した取引が数百件」あると数えており、取引全体の「1%を大きく下回り」、「ベーシスポイント単位で測る」水準だとしています。
  • 消費者。Forresterが2026年4月に米国、英国、カナダのオンライン成人を対象に行った調査では、4分の3が、支出の上限があってもエージェントに単独で支払わせることに抵抗があると答えました。

「受け付ける体制が整っている」は自己申告による準備状況であり、取引量ではありません。また、販売事業者を対象とした2つの調査のうち、1つはVisaが共同スポンサーを務め、もう1つはVisaが委託したものです。

自社のチェックアウトを持つ販売事業者が今すべきこと

ここに挙げることには期限がありません。加盟店がTAP、Agent Pay、Web Bot Authを導入しなければならない期日は、VisaにもMastercardにも見つかりませんでした。作業の目的は、エージェントが運んでくる注文を失わないこと、そしてその注文を守るための証拠を残しておくことです。

  1. 受け入れたいエージェントをブロックしない。商品ページとチェックアウトページのCAPTCHAと、一律のボットのルールを見直してください。Cloudflareは、2026年9月15日以降に追加されたドメインでは、広告を表示するページで、Agentに分類したボットをデフォルトでブロックします。御社のエッジが何をしているかを確認してください。
  2. 通常のフローでエージェントのトークンを受け付ける。DTVCは、既存のカード入力欄に入って届きます。エージェント用トークンとエージェントの識別子がすでにオーソリゼーションに届いているかを、アクワイアラーかPSPに確認してください。
  3. 署名をどこで検証するかを決める。AkamaiのエッジはWeb Bot Authの署名を検証し、AkamaiはVisaとともにTAPへの対応を発表しています。Cloudflareは2025年10月にTAPとAgent Pay向けのマネージドルールを発表しましたが、提供されたものは見つからなかったので、プロバイダーに確認してください。自社のエッジで行う場合は、Visaのリファレンスプロキシが何を構築すればよいかを示しています。
  4. プロトコルの経路を選ぶのは、プログラムから声がかかったときだけにする。御社のUCPチェックアウトの裏側でStripeを決済に使う、申請によりPayPalとBraintreeでACPまたはUCPに対応する、あるいは先にPCI準拠証明書をStripeに提出したうえで、SPT Resolveで御社のプロセッサーにつなぐ、のいずれかです。
  5. 返金とディスピュートはこれまでどおりにする。エージェント経由の注文は元の支払い方法に返金し、利用規約のどこにも、カード会員にディスピュートの権利の放棄を求める記述がないようにしてください。
  6. CE3.0で必要になるものを記録する。注文ごとに、IPアドレス、デバイスIDまたはフィンガープリント、顧客のログインID、配送先住所、商品の説明、そして受け取ったエージェントの署名の検証結果と意図のデータです。CE3.0は任意ですが、残していない証拠は提出できません。
  7. 不正対策とサポートのチームに説明しておく。エージェントは注文ごとに、カード会員の氏名、住所、メールアドレスを渡してきます。

今後の注目点は、Visaのルールの2026年10月版、Intelligent Commerce Connectがパイロット段階を抜けること、Amexの保護の完全な条件、Cloudflareのマネージドルール、12月の欧州議会本会議、そして英国財務省の回答です。

ご相談先

当社は、ホスティング型のプラットフォームに載っていないチェックアウトのために、エージェント決済の販売事業者側の仕組みを構築しています。エッジまたはアプリケーションでのエージェントの署名の検証、StripeやPayPalとのSPTとUCPの決済連携、CE3.0の証拠を残す注文ごとのログ記録、そして登録済みのエージェントを通すボットのルールです。こうした作業はAIエージェント開発とMCPサーバー構築サービスから始まります。当社はエンジニアであって弁護士ではありません。利用規約、ディスピュートへの対応方針、PSRが御社にとって何を意味するかについては、販売先の各市場で決済に詳しい弁護士に相談してください。当社はその回答に沿って構築します。

チェックアウトの技術構成、PSPとアクワイアラー、CDN、販売先の国を添えて、office@c9group.devまでご連絡ください。これらのプログラムのうち現時点で御社に届くものはどれか、そしてそれに対応するには何が必要かをお伝えします。

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